上海旅行記 with HVF  byタカギタカシ

3月16日(木ようび)

 ビュッフェ形式の朝食をとり、自宅からホテルにまで迎えに来てくれた肖君とまた合流して、地下鉄を使って上海駅(上海火車站)に向かいます。
 昨日の夜、夕食後に一度ここまで来て列車の時刻を訊いておいたので完璧なのです。
 今日は上海駅から列車に乗って蘇州まで行くよ!
 上海駅はかなり大きな駅だというだけあって、ものすごい人でごった返しています。平日の朝だっていうのに、大きな旅行鞄を持った現地人で超満員状態です。いや、電車の中じゃなくて駅前の広場がね。


 切符を買って列車に乗ります。座席は指定席なのですが、肖君が付近の人と話を付けて、僕らメンバーが向き合って座れるようにしてくれました。
 で、そのとき勘定奉行が異国の地だというのに大声で日本語で話していたのを聞きつけたらしく、見知らぬおじさんが話しかけてきて・・・。
 なんと! そのおじさんは、上海大学に留学中の日本人だったのだ!
 この広い中国で日本人に遭遇して、しかも関西弁で会話することになろうとは思いもよらなかった。
 おじさんの個人的なことについての説明は、勿論ここでは省くけど、色んなところにアイディアを提出してかなりの数が通っている人らしい。10数年後に韓国の空港で世界初のシステムが出たら、それは彼のアイディアだそうだ。
 非常に気前が良くフレンドリーなおじさんで、僕たちがただ蘇州に行って手当たり次第に寺めぐりをするつもりだと知ると、自ら案内を申し出てくれました。おじさんは蘇州や杭州が好きだそうで、何回も来たことがあるらしい。これは助かった!


 おじさんの案内するままにバスに乗り、楓橋風景名勝区、そして寒山寺にやって来ました。
 楓橋風景名勝区は、確かに風景がきれいで、建築様式は古いけどよく整備された公園のようでした。川に向かって「蘇州」という看板が立っていたけれど、それはここが昔から(今のことは、僕は知らないけど)船の駅だったからだと、おじさんは教えてくれた。
 張継というひとの像と彼の作った漢詩の碑文が置いてあった。おじさんはこの漢詩が大のお気に入りなんだそうだ。『楓橋夜泊』という詩なので、良かったら調べてもらいたい。綺麗な詩だから。
 寒山寺へはそのまま歩いて行けた。楓橋風景名勝区に入るときにもお金を取ったというのに、ここでお寺に入るときにもお金を取られます。商売根性たくましい。でもま、上海タワーの入場料に100元(約1,500円)も取られたので、それに比べれば遥かに安い。
 お寺の中にある普明宝塔という塔でも、お金を払って鐘を突き、ついでに煩悩も払ってきました。多分。
 どうやらこのあたり、日本人パック旅行の行程の中に入っているらしく、こんなところで日本人の団体に遭遇しました。あー、やっぱみんなカメラ構えてる。
ていうか、今では中国人の観光客だってカメラを構えているのを既に上海やここ蘇州でかなり見てきたので、「世界中の名所を写してまわる」のは日本人だけじゃなくなってるんだろうな、と思う。


 お昼ごはんは楓橋風景名勝区の外の、大衆向けっぽい食堂で。普通の中国料理っていったら、昨日の晩みたいな高級店じゃなくて、こういう店で出るやつのことなんだろうな、と思った。チンジャオロースーとか、聞いたことのある名前があったし。
 日本の食堂で出る高級じゃない和食と同じように、中国ではやっぱり中国料理を食べるんだなあと思う。また当たり前っちゃ当たり前なんだけども・・・。
 昼間っからビールを飲みながら、沢山の料理を囲んでいろんな話をしました。まったく、いい身分だなあ、僕らは。
 結局、お昼ご飯はおじさんのオゴリになりました。今日会ったばっかりで、わざわざ観光地を案内してくれて、しかもご飯を奢ってくれるなんて、一体どんだけ太っ腹なんだ!


 そのあとおじさんとはお別れして、まだ列車までの時間があるので、僕らは蘇州のほかの観光地をまわってみることにした。
 バスで降りたところに偶然近かった北寺塔に入ってみました。勿論入場料払って。塔の周りは広い庭園になっていて、日本人の感覚としてもとても綺麗なものだった。中国・上海に着てから全然見なくなった木が、ここにはいっぱいあったし。
 ただ、なんで明らかに「近所の爺さん」っぽいのが敷地内で集まって遊んでるんだろうか? って思っていたら、このお寺に裏口があるのを発見! 明らかに入場料払わずに出入りできる門がありました。そりゃ年寄りの憩いの場にもなるさ。


 その後に行ったのが獅子林。細い橋やら洞窟やらを岩で造った、石と水の庭園。蘇州四大名園のひとつ、ということらしいんだけど、こんな妙なものつくった人はすごいな。褒めてるんだけどね。でも、お年寄りは絶対に怪我すると思う。
 寒山寺もここも、中国人の旅行客が大勢いました。中国の都会人にとっても、やっぱり蘇州は観光名所なのだ、と。


 列車に乗って上海まで戻ると、僕らは今日も今日とて南京東路までやってきて、外灘の夜景を見ました。
 外灘は西洋風の豪華な建築の並ぶところで、川を挟んだ向こう側には上海タワーやら高層建築やらが見えます。高層建築の広告もだけど、西洋風の建築にまで照明が施してあってすごく綺麗。
 ここもやっぱり人でいっぱいでした。平日だっていうのに。旅行者じゃなくて中国人でいっぱいでした。中国人って暇なんだろうか、ってこのときはそう思った。


 そこから、旅行ガイドブックによれば、おいしい料理店があるらしい、ということで、なんとか大酒楼というところに行ったんですが・・・。
 小さいカラオケ屋だってもっと受付とかあるよ、っていうような入り口から入り、4階へエレベーターで上り・・・。その先は大きなホールで、スーツと制服を着たウェイターとウェイトレスの人が待っていたんで、ちょっと安心したんだけど・・・。
 客がまだいるのにホールで終礼やったり、僕らが食べ終わるのを空きの席に座って待ってたりと、およそ日本の料理店ではあり得無い感覚がここではサービスなんだなあと思った。ここは文句を言うべきところじゃなく、単に文化の違いなんだと思うべきなんだろうけどなあ・・・。


 ホテルに帰ってまたポーカーしました。UNOもした。
 で、テレビはどういうわけか直ってて、ちゃんと見ることができました。壊れたり直ったり、このテレビも大変です。
 ・・・とそういえば、このテレビには日本語の説明書がついてあったんです。言うの忘れてたけど。でも、そこは日本語使える人のいないホテルだけあって、ものすごく壊れた日本語が書いてあります。「ン」が「ソ」になってたりするのはともかく、「る」が「ゐ」になってるのはもう「どうやって入力したんだ?」「それはネタなのか?」というレベル。あと、やっぱり敬語は難しいらしくて、自己尊敬表現をつかっておられました。・・・日本のホテルで下手な英語が書いてあるのと同じレベルかな・・・。
 日本企業のつくった食品とか、電気製品の駅のポスターなんかにも、ときどき日本語を見ることができます。ここ中国で日本語って一体どんな位置にあるんだろう? 読めるはずはない・・・、と思うんだけどな。



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