上海旅行記 with HVF  byタカギタカシ

3月15日(水ようび)


 朝御飯はビュッフェ形式でした。
 ホテルの人は日本語が全然通じないようなので、時々英語でやり取りします。
 料理を探し求めてうろうろしてると、妙なものを発見しました。
“日本の豆腐”(日本語だ!)
 ・・・どうみてもなんですが。
 食べながら、英語の音楽が流れてるなーと思ってると、いつの間にか日本語の歌が流れていました。J-POPです。ていうか、80年代くらいの雰囲気の音楽もいくつかありました。こんな曲、僕ら知らないって・・・。こういう優雅な雰囲気には合わない曲だと思うんだけど、中国の人にはこれが普通なんだろうか? それとも、日本人がいるからってサービスしてくれたんだろうか? ここのホテルには白人も結構泊まってるみたいなんだけど・・・。


 エレベーターで部屋に戻るさいに、白人の団体と一緒になりました。
「Good morning!」
 挨拶を交わしながら、何人なんだろうかって言葉を聞いていると、どうやらフランス人のようでした。
「11階」「Eleventh」「11ってフランス語で何?」「Onze」「Onze」
 1回目のonzeを答えたのは隊長でした。隊長大活躍だね! 僕もフランス語選択だったんだから、すぐに答えが出ればよかったんだけど・・・。


 ホテルのロビーで、上海にある家からわざわざ出てきてくれた案内役の肖君と合流して、いざ、上海の街へ!
 旅行会社には飛行機と寝床を注文しておいただけなので、ここからは完全自由行動です。自己責任です。いやむしろ、生の中国を見る絶好の機会です。
 銀行で日本円を人民元に換えてもらって、これでとりあえず一安心してから、街中をうろうろします。
 利用するのは現地の交通機関です。まずはバスに乗りました。が・・・。
 上海の道路事情ってばすごいんです。
 歩行者優先の原則なんて無いもんだから、車は人がいようが突っ込んできます。でも、人のほうもそれに慣れきってて、車が当たりそうになっても動じません。
 人と車で溢れかえって混沌としている道路を、バスは走ります。
 加速がものすごく速いんです。真っ直ぐ立ってるのに結構力がいります。降りる人は完全停車する前に飛び降ります。お年寄りは絶対に乗れません。
 ドライバーは私服のおっちゃん。でも、結構おばちゃんもいます。非接触カード(ICOCAとかSUICAみたいなもの)で料金を払えるのに、集金おばさんが乗ってたりするという、ハイテクとローテクがまぎれた車内。


 博物館に向かう途上だったけど、僕らは貧民街に立ち寄ります。
 土ぼこりか、はたまた化学物質か、濁った空気の中にある街。
 壊れたまま修繕されないコンクリートの地面の上に立つ、小さな、壊れかけた家が並ぶ街。着ている服だって、中心街の人々とは比べ物にならないくらい貧しい様子が見て取れるし、家の前の、道路に面したコンクリートの地面の上で、野菜を洗って切っている様子は、僕らにはあまりにも衝撃的だった。
 上海といえば、普通に日本にいると、キレイでカッコいい高層建築と、夜の闇に映えるネオンの写真しか見ることができないけど、その上海に、まだこんなところがあるなんて・・・とショックだった。本物は、自分で見るしかない。当たり前のことだけど、大切なことなんだな、と思う。
 僕はここで、この町を写真に撮った・・・んだけど、遠慮しすぎたというか、気がひけたというか、デジカメをすぐに下げてしまったせいで、自分の足しか写ってなかった。・・・ま、それだけ精神的にきつかったんだけど・・・。ものすごく残念。


 それから、上海博物館を見学しました。
 これは上海の中心街にあります。中心街は非常に整然とした、大都会という感じがする街です。高いビルがこれでもかと建ち並んでるし、おまけにそのビルが「なんでこんなふうになったの?」っていうくらい不思議な形をしてたりします。波打ってたり、上のほうが大きかったり、でかいボールが挟まってたり。
 博物館の中は、平日(しかも午前)だというのに大勢の人が来ていました。上海人はこういう文化に興味があるんだろうか?
 大昔の中国の壺を見たり、皿を見たり。それに、家具も置いてありました。僕が個人的に一番面白かったのは、少数民族の民族衣装や特有の道具などの展示場。中央アジアの民族衣装が大好きなんです。もし、元寇のときに日本が負けて中国の一部になっていたら、和服もここの展示場に並べられていたんだろうか? なんて恐ろしいことも一瞬考える。
 それにちょうど、中国と日本の書道展もやっていたので、それも観て来ました。まさか中国に来て藤原行成の書が観れるとは思わなかった。ありがたやー。


 昼食はデパート街・南京東路の、大娘水餃っていうお店で。水餃って書いてあるからには餃子屋さんなんだろうとは思っていたけど、メニュー表の上3行に渡るずらりと並んだ商品名が全部餃子であるとは最初思いもしなかった。
 僕はスープとしてぶった切りの羊肉が入ったものを注文した。においを消す、ためかコショウの量が凄いことになってたけど、これがなかなか美味しい。というよりまず、これがファストフードっていうのが驚くべきところ。餃子のファストフードチェーンなんて、とても中国「らしい」ところだと思う。・・・はて、日本「らしい」ファストフードってなんだろう? 団子とか饅頭かな? でも、日本にある和菓子喫茶は、ファストフードというより高級喫茶店でしかないけど・・・。
 タレの匂いが結構独特だった。そうだなあ、日本料理で言えば、ちょうど納豆みたいな。っていうのは、ホテルで朝食に食べた餃子もそうだったので、中国では良く使われる、何か発酵した調味料なんだろうと思う。でもホントのところは良くわからない。
 ところで、頼んだ料理が足りなくて、追加で僕が注文に行くことになった。中国語を勉強してるんだからその成果を見せてもらいましょう、って言われてさ。
 言葉が通じなくても、メニューを指差せばわかる!
 ・・・はずだったんだけど、メニューまで近いレジに並んでたら、おばちゃんの団体が僕の前に割り込んできて・・・。
「お待ちの方こちらへどうぞー」
 ってレジのお姉さん言ってくれるけど、ゴメン、そっちじゃメニューまで遠すぎて指差せないんだ・・・。
 状況を察してくれたレジのお姉さんは、おばちゃん集団に「こちらでどうぞ」ってメニューから遠いほうに移動させて、僕にメニューに近いほうのレジに通してくれたのだ!
 うわーありがとう、すごく助かる・・・。
 僕は「チェイガ(これ)」って例の本に書いてあった通りに言ってみたけど、全然通じない。何かむしろ、無言で指差したほうが紛らわしくなくて良さそうにさえ思える。でも、数詞の「イー(いち)」「リァン(に)」「サン(さん)」はちゃんと通じた。嬉しい。問題はあったものの一応注文できたし。
 それにしてもここのお姉さんふたり、こんな妙な外人の言葉を親身になって聞いてくれて、もうホントにありがとうございます。
 上海のステキな思い出をありがとう・・・。いやいや、上海旅行はまだまだ続きますよ。


 アヴァンギャルドな観光トンネルを電車のようなもので抜けて外灘まで出て、東方明珠塔(上海タワー)へ。地上350mということですが、そこから見える周りのビルも高い高い!
 でも、上海の街にはまだまだ空き地が残ってることがわかった。暫くは建築業が儲けていきそう。あ、ついでに、上海人が本当にSFチックな街が好きなんだなってこともわかった。一体何角形なんだっていうビルとか、目玉模様にしか見えない地面のタイルとか・・・。


 それから、僕らは豫園(ヨウエン)という観光名所に行った。ここの由緒だとかそういうものはまったく知らないけど、庭園のほかは土産屋の集合体のように思えた。
 ここでは僕らは、よく日本人と見破られてか(?)、日本語でセールストークされることが結構あった。屋内の土産屋の制服のお姉さんもそうだけど、屋外で「社長さん、社長さん」って言われたときにはもう、嬉しいというよりは何か悲しかったな・・・。
 それオッサンに言う台詞だから! 学生に使う言葉じゃないからッ!
 でもなんでこんなに簡単に日本人だってばれるんだろう? 中国人の地元民と思しき人たちや、ツアーと思しき団体客だって沢山いるのに・・・。日本人と中国人ってそんな見た目で違うかなあ?
 で、試しに、メンバーから離れて単独で店内を歩き廻ってみる。これまで数秒で「こんにちはー、これ、箸、箸」って言ってきた店員さんたちだったのに、僕がド真ん前に立ってじっと商品を見てても何も言ってこなくなった。うーむ。やはり、集団行動の東洋人を日本人だと認識しているらしい。
 ところで、ここで有名らしい小籠包をみんなで食べているとき、ゴミ集めの爺さんが勘定奉行に中国語で「金くれ」と言っていた。こんな体験、なかなか日本ではないよね。


 地下鉄で南京東路に戻って、そこで夕食をとることになりました。
 それで、飛び込んだ店が・・・。
 ものすごく高級な店でした。
 日本人向けメニュー本は中国人向けと違って明らかに高いぞ! 何だコレ、1品で1200元(約18,000円)って!
 ・・・と思いきや、そんなに高いのはツバメノスくらいのもので、他のはそうでもありませんでした。
 でもかなり高い店であることには違いない。ジャッキー・チェンが乱闘しそうなほどの高級感。そして・・・。
 北京ダックを食べました。
 そのほかにも色々美味しいものを食べたので、一体いくらになるのやらと思っていたら、ひとり当たり100元(約1,500円)でした。日本でこの価格は無理だなあ。


 そいでから、店を出て、太平洋百貨店というデパートの中をみんなでうろうろしてました。デパート内の物価は普通に日本と同じです。高すぎて手が出ません。
 内装も、ポスターも、品揃えもすべて日本のものとそっくりなので、ここが日本国内のデパートであるような錯覚さえ感じられます。
 なんたって、広告は「オシャレにするために」英語が書いてあるものが多いし、値札には¥(元マーク)が書いてあるし・・・。
 ・・・中国語を聞きさえしなければね。
 中国の人は、街中ではクラクションを常時鳴らして、車とバイク優先で乱暴な運転をするという感じだけど、さすがにこんなデパートの中は、落ち着いた静かな雰囲気になっている。
 日本人が静けさを好む人種だって言うけど、何バカなこと言ってんの、って思ってたけど、なんとなくわかった気がする。


 ホテルに帰ってからはポーカーして遊んだりしてました。
 なぜかテレビのスイッチが破壊されていたので、明日には直ってると良いんだけど・・・。


HVFに戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送