上海旅行記 with HVF  byタカギタカシ

3月19日(日ようび)


 5時ごろ起床。6時にロビーまで降りて、旅行会社の人と5日ぶりに再会します。
 ホテルからは保証金を返してもらいます。それから、朝が早い僕らのためにお弁当を作ってもらっていたらしく、それをいただいて帰ります。
 朝飯抜きのままバンに乗り。旅行会社の人に浦東空港まで送ってもらいます。


 上海の街をオレンジ色に照らす朝の太陽を―――光と闇の織り成すコントラストを見つめながら、僕はこの街の、そしてこの国の未来を想った。
 繁栄と貧困が同時にある街、上海。
 日本の都会よりも都会なのに、日本には存在しようもないほどの貧民階級民の存在。
 これが共産主義なのだろうか。日本が世界で一番成功した共産主義国だという笑い話は聞いたことがあるけれど、あながち間違っちゃいないんだなと思う。
 この国は何もかもが、僕にとってはあわただしかった。
 どこか根本的なところが、日本とは違って不安定なのかもしれない。何が、なんて特定することはできないけど。
 でも、僕が接した人は、幸いなるかなみな良い人たちだった。この国の未来が、明るいものであればいいな、と僕は思う。


 浦東空港で旅行会社の人と別れ、手続を済ませてから、僕らは空港で少し買い物をした。残ってる人民元をちょっと使っておきたかったから。
 ここで商品を出したときに、レジの人に「84元です。小銭ありますか?」って日本語で言われたときには、日本語で話ができて助かったというより、つまらないと思う気持ちのほうが大きかった。「ないです」って答えてから、「没有」って答えれば良かったな、なんて思った。僕はひねくれてると思う。


 飛行機に乗って、上海・浦東空港を発った。
 この旅行を思い返して、本当に、海外旅行っていうのはいいものだなと思った。それも、パック旅行じゃなかったからこそ、あれだけの自由行動の時間があったのだ。この旅行のおかげで、日本で大体的には報じられていない中国の生の姿にも、いくらかは触れることができたと思う。それに、言語とは、そして国家とは何かを考える良い材料にもなった。
 何の目的もなしにこの旅行に臨んだ僕でさえこうなのだから。
 他のメンバーも、きっと何かしら手に入れて帰ったのだと思う。


 ―――と、腹が減っていたことを思い出す。そういえばお弁当を貰ったんだった。中身はなんだろう?
 ホテルで貰った弁当箱を開けると・・・。

 バナナ、ゆでたまご、パン、ミネラルウォーター・・・。
 さすが中国、ビックリだなおいッ!


〜完〜


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